生物の分類、これは人が便宜上決めるもので、画一的な分類基準はないと思われる。 そのため、少なくとも生物界全体に適用される画一的な見解は存在しないようである。 しかし、非常に多くの種類が存在する生物を理解するには、 ある一定の基準を定めて分類することは不可欠だと考えられる。
そこで、ここでは現在最も一般的な分類法の一つと考えられる Woeseらによる3ドメイン説 (1990、Woese ほか)と、その中の真核生物ドメインを6つに分類する国際原生生物学会(2005年)の方式を元に、1つの分類方法としてまとめることを目指す。
階層名 | 補助階層名 |
---|---|
ドメイン Domain | |
界 Kingdom | 界 Kingdom |
下界 Subkingdom | |
門 Phylum/Division | 上門 Superphylum/Superdivision |
門 Phylum/Division | |
亜門 Subphylum | |
下門 Infraphylum | |
網 Class | 上網 Superclass |
網 Class | |
亜網 Subclass | |
下網 Infraclass | |
小網 Parvclass | |
目 Order | 巨目 Magnorder |
上目 Superorder | |
目 Order | |
亜目 Suborder | |
下目 Infraorder | |
小目 Parvorder | |
科 Family | 上科 Superfamily |
科 Family | |
亜科 Subfamily | |
属 Genus | 属 Genus |
亜属 Subgenus | |
種 Species | 種 Species |
亜種 Subspecies | |
変種・品種 | 変種 variety (var.) |
栽培変種 cultivar (cv.) | |
品種 form (f.) |
参考文献・サイト
ドメイン(domain)はWoeseらが提唱した考え方で、 それまで最も上層とされていた界(kingdom)の更に上に置かれ、 生物分類の最上層となる。3ドメイン説では次の3つのドメインを設ける。
Woeseらの3ドメイン説を発表した当時は、これら3つのドメインはあまり変わらない時期に分化したものとして考えられていた。 ところが後になって、古細菌と真核生物は近い関係にありこれら2つと細菌は遠い関係にある、 つまり、3ドメインが同時期に分化したのではなく、 細菌がまず分化し、後に古細菌と真核生物が分化したと現在では考えられている(イオサイト説)。 それは別途考慮する。
細菌の命名方法は、「細菌命名法の国際的コード」(International Code of Nomenclature of Bacteria)によって規定されている(Lapageら,1992)。 細菌種の正式名は以下の3点に基づいている。
1980年1月から、細菌名の優先順位は「公認細菌名一覧」(Approved list of bacterial names、Skermanら,1980)に基づいている。その結果、この一覧に掲載されていない細菌は行き場を失ってしまった。
新規名称と新規命名法の組み合わせに関する有効な出版物とは、 系統的細菌学の国際雑誌(International Journal of Systematic Bacteriology、IJSB)/ 微生物の系統進化の国際雑誌(International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology、IJSEM 2000年1月以降)の出版物(その原論文または正当性一覧)のみで構成される。
1つの説は、動物(Animalia)界、植物(Plantae)界、菌(Fungi)界、原生生物(Protozoa)界の4界に分けるというものである。
一方、次のような説もある。
また、国際原生動物学会からは以下の6つに真核生物を分類する案が出されている(2005)。
岩波生物学辞典
- 直体亜門 Diasoma subphylum
- ニマイガイ網(斧足類)Bivalvia class
- ウグイスガイ亜網(翼形類)Pterimorphia subclass
- ウグイスガイ目 Pterioida order
- イタヤガイ亜目 Pectinina suborder
- イタヤガイ Pecten
- ホタテガイ Patinopecten
動物系統分類学
- ニマイガイ網(斧足類)Bivalvia class
- ウグイスガイ亜網(翼形類)Pterimorphia subclass
- ウグイスガイ目 Pterioida order
- イタヤガイ上科 Pedtinacea
- イタヤガイ科 Pectinidae family
- イタヤガイ亜科 Pectininae subfamily
- Pecten属
- ヨーロッパホタテガイ P. maximus
- イタヤガイ P. albicans
- Placopecten属
- マゼランツキヒガイ P. magellanicus
- Patinopecten属
- ホタテガイ、アキタガイ P. yassoensis
- ホンホタテガイ、アラスカホタテガイ P. caurinus
- Serratovala属
- シゼツホタテガイ S. tricarinata
- ツキヒガイ亜科 Ausiinae subfamily
- Amusium属
- ツキヒガイ A. japonicum
- タカサゴツキヒガイ A. pleuronectes
原色日本貝類図鑑
- 斧足網 Pelecypoda
- イタヤガイ科 Pectinidae
- Pecten属
- イタヤガイ P. albicans
- シナイタヤ P. excavatus
- ハナイタヤ P. puncticulatus
- シゼツホタテ P. tricarinatus
- Amusium属
- ツキヒガイ A. japonicum
- タカサゴツキヒ A. pleuronectes
- Patinopecten属
- ホタテガイ、アキタガイ P. yessoensis
NCBI Taxonomy
- Pectinidae family (scallops)
- Adamussium属
- Antarctic scallop A. colbecki
- Aequpecten属
- A. opercularis
- Argopecten属
- bay scallop A. irradians
- A. gibbus
- A. purpuratus
- A. ventricosus
- Azumapecten属
- Farrer's scallop Azumapecten farreri
- Chlamys属
- Japanese scallop C. nipponensis
- Mizuhopecten属
- Yasso scallop M. yessoensis
- Patinopecten属 scallop
- Pecten属
- P. albicans
- P. jacobaeus
- P. maximus
- P. novaezelandiae
- Placopecten属
- sea scallop P. magellanicus
貝類データベース@関西学院大学
- 二枚貝網 Bivalvia class
- 翼形亜網 Pteriomorphia subclass
- ウグイスガイ目 Pterioida order
- イタヤガイ超科 Pectinoidea
- イタヤガイ科 Pectinidae
- Aequipecten属
- セイヨウイタヤ Queen scallop A. opercularis
- Argopecten属
- irradians種
- ホンアメリカイタヤ Atlantic bay scallop A. i. irradians 亜種
- Pecten属
- イタヤガイ Japanese baking scallop P. albicans
- Patinopecten属
- ホタテガイ Yezo scallop P. yessoensis
Wikispecies、Wikipedia
- Bivalvia class
- Pteriomorphia subclass
- Ostreoida order
- Pectinina suborder
- Pectinoidea superfamily
- Pectinidae family
- Pectininae subfamily
- Aequipectinini tribe
- Aequipecten genus
- A. atianticus
- A. commutatus
- A. exasperatus
- A. flabellum
- A. glyptus
- A. lineolaris
- Rough scallop (A. muscosus
- A. nicklesi
- A. opercularis
- A. phrygius
- A. tehuelchus
- Argopecten genus
- bay scallop (A. irradians
- Atlantic calico scallop A. gibbus
- Pacific calico scallop A. ventricosus
- Cryptopecten genus
- Haumea genus
- Leptopecten genus
- Pecten genus
- Great/King scallop P. maximus
- Japanese (sea) scallop P. yessoensis
- New Zealand scallop P. novaezealandiae
- Volachlamys genus
オランダアムステルダム大 Argopecten irradians concentricus (Say, 1822)
兵庫県立 人と自然の博物館 アメリカイタヤガイ Argopecten irradians concentricus (Say, 1822)
微小貝データベース ホンアメリカイタヤ (Atlantic bay scallop) Argopecten irradians irradians (Lamarck, 1819)
Atlantic bay scallop (Argopecten irradians amplicostatus)
生物種間の進化的な関係は、 分子構造や配列を使えば 表現型によるこれまでの方法よりも多くのことが分かることが多い。 (特に微生物については) そのため、種の決定は生物個体レベルから細胞や分子レベルの要素で決定されることが多くなってきている。 分子を比較すると、この地球上の生物は大きく3つのグループに分けることができる。 その3つとは、真正細菌(eubacteria)、古細菌(archaebacteria)、そして真核生物(eukaryote)の3つである。 この3つのグループの間には非常に大きな違いがあり、 種分類において、これまで最も上層とされてきた界(kingdom)間の違い、例えば動物と植物との違い、よりも違いは大きい。 ところが、この点を反映して最初に生物を3分した分類体系の定説はまだない。 5界説や真核生物/原核生物二分論などはこの点を反映していない説である。 そこで提案するのが、界の上に「ドメイン」(domain)と呼ばれる新しい分類階層を3つ設けるというものである。 地球上の生物は、細菌(bacteria)、古細菌(archaea)、真核生物(eucarya)の3ドメインに分類され、真核生物は複数の界〜動物(Animalia)、植物(Plantae)、菌類(Fungi)など〜で構成される。 古細菌は2界に分ける。 1つはユーリ古細菌(Euryarchaeota、ユリアーキオータ)界で、 全てのメタン菌と、高度好塩菌、好熱菌の一部を含む古細菌最大の界(または門)。 もう1つは、クレン古細菌(Crenarchaeota、クレンアーキオータ)界。 好熱菌を中心とした古細菌の一群。 →現在では更に2つ、計4界が設けられている。 1つはコル古細菌(Korarchaeota、コルアーキオータ)界、1996年にBarnsらが16S rRNAのクローン解析から提唱された新しい門(界)で、いまだ分離株は見つかっていない。ただし、FISH法を用いて増殖していることが観察されている。 もう1つは、ナノ古細菌(Nanoarchaeota、ナノアーキオータ)界。 熱水噴出孔から分離された Igniococcus hospitalis を宿主古細菌とする、極めて小さな古細菌が見つかったことにより設定されたものである。